富山県氷見在住の魚料理研究家「昆布」による連載コラムvol.15
どんよりとした雲が立ち込め、
雨の日が多くなってきました。
朝晩は涼しくとても過ごしやすいですが、
あの夏の日差しが拝めなくなると思うと少し寂しかったりもして。
そんな秋めく日々の中で、特に楽しみなのは果物。
先日直売所を覗くと、葡萄やりんご、
イチジクや桃が並び始めていました。
更にはプラムや食用ホウズキも。
氷見は小規模な農園で農家をされている方が非常に多く、
かつそれぞれが様々な果物や野菜を育てていることから、
氷見野菜(果物)は「少量多種」と呼ばれます。
ゆえにぼーっとしていると売り切れてしまったり、
それぞれの旬を逃してしまったりすることもあるので、
こちらは必死に買って食べる、買って食べる…。
農家さんに教えてもらった酵素ジュース
というのが間に合わなくなりどうしようかと思っていたところで、
農家さんに教えてもらったのが酵素ジュース。
果物と砂糖を発酵させてシロップを作り、
水や炭酸水で割るジュースです。
シロップは冷蔵庫内で保管すると日持ちもするため、
お目当ての果物をまとめ買いして作るのがおすすめ。
作るのがめんどくさいなんて方は、
当店でも販売しておりますのでぜひどうぞ。
かわるがわる様々な果物の酵素ジュースをお出ししますよ。
氷見のタコ
まだまだ秋の代名詞とも言われる
カジキやカマスなどはあまり見られず、
魚屋さんのショーケースも少し寂しげ。
ただこの中でも大漁が続いているのが「タコ」
(近くの居酒屋さん曰く、「タコしか売るものがない!」)。
昔から氷見では真ダコがよく獲れ、
タコ専門の漁師さんもいるんだとか。
ブランド化などはされていませんが、
僕は勝手に「氷見ダコ」と呼んでいます。
そう名前をつけたくなるくらい美味しいのです。
その日獲れた生のタコを買ってきて、
まずは塩でぬめりをとり、
沸騰したお湯で10分ほど茹でたら出来上がり。
茹でたてのタコは程よい塩気もあって非常に美味。
これは港町に住む特権のような味。
一人でも多くの人に味わってもらいたいなぁ。
タコ茹でイベントでもやろうかなぁ。
変な考えになってきたので、今日はこの辺で。
『タコのスパイシーカルパッチョ』
『タコのスパイシーカルパッチョ』
材料
・蒸しタコ 50g
・じゃがいも 小1個
・ニンニク ½片
・クミン 小さじ½
・カレー粉 小さじ1
・ごま油 大さじ1
・塩 適量
・パクチー 適量
作り方
❶鍋にじゃがいもとかぶるぐらいの水を入れ、火にかけて茹でる。木串がスッと入るぐらいの硬さになったら取り出して粗熱を取ったら、皮を剥いておく。
❷タコとじゃがいもをそぎ切りにし、皿に交互に盛り付け、その上から塩とカレー粉を振りかける。
❸フライパンにごま油とみじん切りにしたニンニク、クミンを入れて中火にかけ、クミンとニンニクの香りが立ったらそのまま皿に回しかけて、パクチーを散らしたら出来上がり。
タコの食感とスパイスの風味が楽しい一品。ぜひお試しあれ。
魚料理研究家【昆布】
魚料理研究家。本名: 近森光雄、1993年東京都下町生まれ。
大学卒業後、魚屋に3年半勤務。旅行で訪れた富山県氷見のあまりにも新鮮な魚に一目ぼれし、2019年10月氷見へ移住。
地元の魚屋・漁師・料理人と語らいながら、日々魚料理の新たな可能性を素材と調理法の両面から研究中。
サウナを愛するあまり、スーパー銭湯の近くに住んでいる。