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富山県氷見在住の魚料理研究家「昆布」による連載コラムvol.14
8月。海水浴場が点在する氷見にとっては、今が観光の最盛期。
中央通りを通りがかると、浮き輪を持った家族連れが
濡れた髪を揺らしながらまちなかを観光している姿が目につきます。
海水浴と海鮮丼ランチなんてベタな観光もいいですが、
僕からは氷見の朝観光をご紹介。
最初は朝7時にピークを迎える魚市場の見学に向かいます。
漁船から次から次へと運ばれる大量の魚と、
それを競り合う仲買人たちの熱気を肌で感じると、
段々と目が冴えてきます。
その後は早朝営業をしている氷見のパン屋「ごパン」へ向かいましょう。
自家製酵母を使った多彩なパンの香りに癒されながら、
好きなパンとドリンクを買います。
そこから少し移動して、氷見の中心地にそびえる朝日山の頂上付近に位置する
「見晴らしの丘」へ。
ここから見る氷見の景色は素晴らしく、
晴れていれば青く光る海や氷見の町並み、
雄大な定置網の形までくっきりと見渡せます。
土日は朝9時から、見晴らしの丘の片隅に建つ
「センターハウス」という休憩施設が開いていますので、
そちらから景色を眺めながらゆっくりと
先ほどのパンで朝食をとるのがおすすめです。
ここまででまだお昼にもなっていません。
ここからアクティブに海水浴に出かけても、
まちなかに数多くある喫茶店でゆっくりしてもいいですね。
夏の日の長さを目一杯使ってぜひ氷見を満喫してみてくださいね。
見晴らしの丘から見える「定置網」
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さて、見晴らしの丘から見える「定置網」は、
海越しの立山連峰や寒ぶりと並んで、
氷見の象徴として知られています。
400年以上にわたって継続して利用され、
現在も氷見のほとんどの魚は定置網を使って獲られています。
定置網漁は魚の習性を利用して効率的に構築された網を、
沿岸に敷設して行う漁法です。
毎朝未明ごろ漁師さんたちが漁船に網を引き揚げ、
魚を獲ったら再度同じ場所に戻して明日の漁に備えます。
そんな定置網の漁場は漁港から船で20分程度の距離に位置しており、
毎朝獲れたばかりの魚を
迅速に漁港や市場に運ぶことができるため、
氷見の魚は新鮮だと評価されているのです。
仲買人さんに話を聞くと、
「氷見漁港では目をつぶっていても(目利きしなくても)新鮮ないい魚が手に入る」
と昔から言われているそうで。
今後もそんな魚が手に入るよう
定置網に祈りを捧げつつ、
僕は今日も魚と向き合ってゆくのです。
【白身魚の炙りとルッコラのゆず味噌カルパッチョ】
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材料
白身魚の刺身用サク 100g
新玉ねぎ ¼個
ルッコラ 20g
白胡椒 適量
★ゆずみそ 小さじ2
★醤油 小さじ1
★太白ごま油 小さじ2
★米酢 小さじ1
作り方
①新玉ねぎをスライサーで薄くスライスして、水に10分ほどさらします。
白身魚のサク全体に軽く塩を振り、水気が出たらふき取っておく
②新玉ねぎをザルに上げて水気を切ったら、皿に盛り付ける
③サクを両面炙り、軽く粗熱を取ったら薄く切って新玉ねぎの上に並べる。
④★を全て混ぜたソースをかけ、周りにちぎったルッコラを盛り付けて、
最後に白胡椒を振ったら出来上がり。
炙って香る魚の香りとゆずみその風味がたまらない一品。ぜひお試しあれ。
魚料理研究家【昆布】
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魚料理研究家。本名: 近森光雄、1993年東京都下町生まれ。
大学卒業後、魚屋に3年半勤務。旅行で訪れた富山県氷見のあまりにも新鮮な魚に一目ぼれし、2019年10月氷見へ移住。
地元の魚屋・漁師・料理人と語らいながら、日々魚料理の新たな可能性を素材と調理法の両面から研究中。
サウナを愛するあまり、スーパー銭湯の近くに住んでいる。