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富山県氷見在住の魚料理研究家「昆布」による連載コラムvol.23

近頃さらに気温が上がり、汗ばむ日が多くなってきました。いつの間にか木々は青々と葉をつけ、時折吹く浜風に揺られています。
春というより夏を感じるこの時期。外へ出て何をしようかと、仕事の有無にかかわらず毎日考えてしまいます。

ゴールデンウィークと氷見

それは皆さん一緒のようで、今年のゴールデンウィークの氷見は去年や一昨年とは比べ物にならないような混雑。
道の駅ひみ番屋街の駐車場は臨時駐車場まで満車となり、お土産を買う人であふれていました。
民宿や飲食店に話を聞くとやはり例年以上の予約が入っており、
66魚が足りるかどうか不安を覚えるほどだそうで(ゴールデンウィーク期間中はほとんどが休市のため取引される魚が少なく、かつ高値で取引されるため)。
市場は魚の取り合い、なんて話も聞きます。
ですがこんな状況が数年ぶりに戻ってきたことがとても嬉しく、氷見の活気がこれを機に更に戻っていってくれたら、と切に思っています。

サカナとサウナ

ちなみに私の店「サカナとサウナ SEAFOOD STAND」は建物の契約が終了し3月末にて閉店したため、このゴールデンウィークの恩恵を受けられずじまい。
ですが現在は元々海鮮丼屋があった建物を改装中。今年の夏ごろには再オープンを目指しています。
まだ詳細はお伝え出来ないのですが、ただ一つ言えるのは「次の店にはサウナがある」ということ。
これ以上の情報は来月以降お知らせしますので、ぜひお楽しみに。

夏の魚

さて5月となると、春の魚に紛れて少しずつ夏の魚も多くなってきました。
スズキやトビウオなどがその代表ではありますが、冬の魚に比べれば脂乗りや味わいは薄く、油やスパイスなどを使って味を下支えしてあげるのがおすすめです。
しかしそんな必要もなく素材の味で十二分に勝負できるのは、氷見では今から夏の終わりにかけて漁獲される天然岩牡蠣。
普段スーパーに並んでいる冬が旬の真牡蠣とは全く異なる品種で、その特徴は身のサイズ。時間をかけて育つため大きく厚い身が特徴で、噛むと感じるジューシーさがたまりません。
シンプルに塩とレモン汁をかける生牡蠣や、網で焼いて醤油をたらす焼牡蠣などが、岩牡蠣の旨味をダイレクトに感じる料理です。ちょっとアレンジするなら、エスカルゴバターと共にオーブン焼きがおすすめ。
ニンニクやパセリの香りが岩牡蠣のジューシーさを引き立てます。
小さなものでも一個1000円程する高級品ですが、一度食べたら忘れられないほどの美味しさ。
飲食店だけでなく魚屋でも総菜にして提供していますので、氷見を観光の際にはぜひご賞味あれ。

今回は夏魚にぴったりな味付けのレシピをご紹介。

レモンペッパーグリル

材料
・白身魚の切り身 4切れ程度
・レモン汁 大さじ2
・オリーブオイル大さじ2
・醤油大さじ2
・すりおろしニンニク1片分
・黒胡椒 適量
・小麦粉 適量
・塩 少々

作り方

❶切り身は薄く塩を振り、10分ほど置いて水気が出たらよく拭き取っておく。
❷レモン汁・オリーブオイル・醤油・ニンニク・黒胡椒を合わせたものに30分ほど漬け込む。
❸ 合わせダレから魚を取り出したら両面に小麦粉を薄くまぶし、オイルを引いたフライパンで皮目から弱火で焼いていく。
❹皮目に焦げ目がついたらひっくり返し、身側にも焼き色がついたらお皿に盛り付けて出来上がり。
レモンベースのタレが食欲をそそります。ぜひお試しあれ。

魚料理研究家【昆布】

魚料理研究家。本名: 近森光雄、1993年東京都下町生まれ。

大学卒業後、魚屋に3年半勤務。旅行で訪れた富山県氷見のあまりにも新鮮な魚に一目ぼれし、2019年10月氷見へ移住。
地元の魚屋・漁師・料理人と語らいながら、日々魚料理の新たな可能性を素材と調理法の両面から研究中。

サウナを愛するあまり、スーパー銭湯の近くに住んでいる。