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富山県氷見在住の魚料理研究家「昆布」による連載コラムvol.12

5月といえば、やっぱりゴールデンウィーク。旅行や帰省やフェスなど、盛りだくさんの連休にしようと様々計画している方も多いのではないでしょうか。
僕自身は前職が魚屋で現在も飲食店なことから、いつも浮き足だったお客さんを迎える立場。ここが稼ぎ時だと毎年気合が入ります。氷見も連休中は帰省する方が多く、久しぶりの再会を喜ぶ声が町中で響きます。おかげさまでそんな帰省のお客さまで当店も賑わうため、いつもより多く魚が必要になるのですが、残念ながら連休中は市場もお休み。今年も3・4・5日と休市が続きます。連休前に多めに仕入れた魚に処理を施して、「熟成」がてら日持ちをさせるのですが、とれたての新鮮なお魚も食べていただきたいのが魚を扱う僕らの本音。

磯魚が増え始めた今こそ、空き時間にでも近くの海岸に釣りにでも出かけようかしら。
そんな暇もないほどのお客さんに来てもらいたい、というのが本当の本音なのですが笑。

近年ブームとなっている「熟成」

さて、近年はそんな「熟成」という方法がブームになっていますが、古来より世界中では魚を日持ちさせるために様々な方法が生み出されてきました。
日本では魚の体内の水分を取り除いて雑菌の繁殖を防ぐ干物や糠漬け。欧米では空気を遮断して酸化を防ぐオイル漬けなど。これらは冷蔵庫が発明される以前から魚を保存するために生み出されてきた方法で、腐敗を防ぐだけではなく魚の持つ「イノシン酸」という旨味成分を保持させる効果があります。

それに対して「熟成」は血抜きなどのテクニックと冷蔵庫などの機材を駆使して一定期間保存することによって、イノシン酸を「増幅」させる効果があると言われています。最新の特殊な冷蔵庫を使えば1ヶ月以上の熟成を可能にし、更に旨味を倍増させることもできるんだとか。
そんな「超」旨味魚も食べてみたいですが、やっぱり僕は漁港のまちの人間らしく、とれたてのコリコリ食感の魚も捨てがたい。

浜風で乾いた干物の味わいもいいなぁ。あぁ、やっぱり僕は魚が大好きみたいです。

保存食品の干物を使ったメニューをご紹介

【干物のアヒージョ】

材料

・お好みの干物1尾
・にんにく1片
・長ネギ 1本
・新じゃがいも 大1個
・ローリエ 1枚 (またはその他お好みのハーブ) 
・オリーブオイル 200ml 
・鷹の爪 1本 
・塩 適量 

❶にんにくを潰し、じゃがいもと長ネギは一口大に切り、干物は大きな骨を取りながら食べやすい大きさにぶつ切りにする。
❷オリーブオイル、にんにく、鷹の爪、ローリエ、ジャガイモを鍋に入れて弱火にかける。
❸じゃがいもが柔らかくなったら中火にして長ネギと干物を入れ、火が通ったら塩で味を調えて出来上がり。

干物の旨味がオリーブオイルに溶け出します。ぜひパンをひたして召し上がれ。

魚料理研究家【昆布】

魚料理研究家。本名: 近森光雄、1993年東京都下町生まれ。

大学卒業後、魚屋に3年半勤務。旅行で訪れた富山県氷見のあまりにも新鮮な魚に一目ぼれし、2019年10月氷見へ移住。
地元の魚屋・漁師・料理人と語らいながら、日々魚料理の新たな可能性を素材と調理法の両面から研究中。

サウナを愛するあまり、スーパー銭湯の近くに住んでいる。